サウジアラビアの女性の服装と特徴は?|アバーヤのオシャレってあるの?
こんにちは! カマルです!
当ブログにお越しいただきましてありがとうございます!
この記事では、サウジアラビア女性の服装の特徴やファッションについて書いています。
ご存知だと思いますが、サウジアラビアでは、女性が外出するときは、「アバーヤ」(マントのようなものだが、前見頃を着物のように合わせて着るもの)や「バールト」(前見頃がチャックやボタンで閉じているもの)を着用しなければなりません。
同様にイスラム圏のイランやイラク、アフガニスタンなどでも国により呼び名は、違いますが、女性が外出するときは、全身をおおう衣装で体を隠しています。
また頭には、髪と首元を隠すためにサウジでは 「タルハ」と呼ばれるもの、一般的には、「ヒジャブ」と呼ばれるスカーフのようなものをかぶります。
その上に、顔をベールで隠す布は、サウジでは、「ガトワ」、一般的には 「ニカーブ」と呼ばれています。
まとめると
- ヒジャブは、頭の髪の毛と首元をかくすため
- ニカーブは、頭と首と顔を隠します
このような衣装でオシャレができるのかとお思いでしょうが、サウジの女性達は、それなりに楽しんでいるんですよ。
サウジアラビアの女性の服装の特徴は、どんなものなの?
Contents
サウジアラビアでは、女性が外出するときは、肌を隠すためと体の線がみえないようにするために アバーヤやバールトなどで全身をおおうものを着用します。また頭は、 タルハ(ヒジャブ)でおおいます。顔は、ガトワ(ベール、四角い長方形の布)で隠します。
サウジアラビアの女性の民族衣装であるアバーヤって?
サウジアラビアの女性の衣装は、アバーヤと呼ばれるもので2種類あります。
もちろん頭には、タルハ(ヒジャブ)を被りガトワ(ニカブ)をして顔を隠します。
- 頭からすっぽり被る種類のもの( 伝統的でシンプルなデザインで色は、黒が多い)
- コートのように、肩から着るもの( ファッショナブルなデザインが多く様々な色合いがある)
ただ、地域によりガトワをしない(顔を隠さない)でタルハ(ヒジャブ)だけをかぶっている人達も多くいます。
ジェッダ(西海岸)やダンマン(東海岸)で多く見られます。
サウジの民族衣装であるもう一つのアバーヤ「バールト」とは?|外国人観光客もアバーヤを着るの?
サウジのもう一つの民族衣装である バールトは、アバーヤの後に作られた 近年のデザインで前身頃がチャックやボタン、ホックで閉じられたものです。
私は、この着心地のよい「バールト」をいつも着用してしています。
「バールト」は、 「アバーヤ」という概念に入ります。
アバーヤは、着物のように前身頃で合わせて着るもので、一応飾りベルトやフォックがついていますが、あまり活動的ではありません。
サウジの 「バールト」は、シリアやモロッコの人たちが、いろんな色合いのロングコートのようなものを着用していますが、それと似ています。
外国人観光客も、アバーヤを着なければならないの?
2019年9月27日にサウジアラビアの観光ビザが解禁になりました。
外国人観光客もサウジ女性と同じようにアバーヤを着用しなければならないのかと考えている人もいるのではないでしょうか。
サウジアラビア女性は、当然アバーヤを着用しなければなりませんが(アバーヤの色は何色でもよい)、外国人観光客は、アバーヤを着る必要はありません。
そのかわり、 肌の露出の少ない恰好でつつしみぶかい洋服の着用が必要とされます。
イスラム諸国から巡礼や小巡礼にやってくる人たちは、アバーヤとは違う祖国の民族衣装を着ている人たちもいます。
モロッコからの巡礼者は、足のくるぶし丈のフードのついた様々な色合いのロングコートを着ています。
サウジの民族衣装は、顔や体を全部隠してしまうけどどうしてなの?
サウジアラビアに限らず、イスラム圏のイランや、アフガニスタンなどでも呼び名は違いますが、アバーヤに似たものを着ます。
- イランでは チャドル
- アフガニスタンでは ブルカ
サウジの民族衣装「アバーヤ」やイスラム圏で着用されている体をすっぽり隠してしまう「チャドル」や「ブルカ」は、なぜそのような服装規定がされているのかを説明します。
それは、次の様な理由からです。
コラーンに記載されているから
イスラム圏では、ほとんどの国で 頭の髪の毛と首元を隠すために「ヒジャブ」や「ニカブ」をかぶっています。ただ植民地化して外国の文化が入って来た国(チュニス、チュニジア、モロッコなど)は、規制がゆるくヒジャブが強制されていないところもあるようです。
顔や頭髪、身体を隠すために、簡単に言えば 手や足以外の肌を隠すためにアバーヤを着用しています。
それは、イスラム教の経典「コラーン」に書かれているからです。
コラーンの第24章のアーヤ31に書かれている文言をみると分かります。
24-31.信者の女たちに言ってやるがいい。かの女らの視線を低くし、貞淑を守れ。外に表われるものの外は、かの女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェイルをその胸の上に垂れなさい。自分の夫または父の外は、かの女の美(や飾り)を表わしてはならない。なお夫の父、自分の息子、夫の息子、また自分の兄弟、兄弟の息子、姉妹の息子または自分の女たち、自分の右手に持つ奴隷、また性欲を持たない供回りの男、または女の体に意識をもたない幼児(の外は)。またかの女らの隠れた飾りを知らせるため、その足(で地)を打ってはならない。あなたがた信者よ、皆一緒に悔悟してアッラーに返れ。必ずあなたがたは成功するであろう。
コラーンの文言の中の太字で書かれたところを詳しく説明すると・・・・
「外に表れるもの」とは、手や足首などを指します。
ヴェイルをその胸の上に垂れなさいとは、「ニカーブ」や「アバーヤ」で身体をおおいなさいということです。
「自分の夫または父の外は、かの女の美(や飾り)を表わしてはならない・・・または女の体に意識をもたない幼児(の外は)」と書かれているところから、サウジアラビアでは、顔を夫以外の他人に見せないと言う理由がおわかりになると思います。「かの女の美」とは、顔や頭髪、身体を指しています。
つまり、手や足首以外の肌は、他人に見せては、いけないのです。
サウジアラビアの女の人はアバーヤでどんなオシャレを楽しんでいるの?
外出するときは、 アバーヤを着用しなければならないのですが、それなりに規制から外れない範囲でオシャレを楽しんでいるんです。
サウジアラビアのアバーヤのデザインで着てはいけないものとは?
サウジの服装規定から外れたアバーヤで、着てはいけないものを挙げてみました。
- アバーヤの下に着ているものが見える透き通った素材のもの
- 前身頃がオープンになっていて歩くたびにアバーヤの下に着ている服が丸見えのもの
- 体の線がはっきり見えてしまうピッタリしたデザインのもの
サウジアラビアのアバーヤのデザインで着てもいいものとは?
サウジの服装規定に沿ったもので着てもいいアバーヤを挙げてみました。
- どんな色や素材でもいいが、素材が透けていないもの(透ける素材のものでも、裏地を付ければ問題ない)
- どんなデザインでもいいが、体の線がピッタリ見えるものはダメ
- 基本のデザインは、マント風やコート風なもの(ロングワンピースなものでもO.K.)
上に挙げたアバーヤの基本デザインから創られる民族衣装は、いろいろなものが出来上がりオシャレを楽しむことができるんです。
サウジアラビアのアバーヤに付けてもいいアクセサリーとは?|オシャレを楽しむ方法とは?
一般にアバーヤの上に アクセサリーを付けるのは、タブーですが、流行の先端を行く街ジェッダでは、アバーヤの上に スマホをぶら下げるロングのストラップ風のアクセサリーを肩からぶら下げていますよ。
これは、スマホのストラップをアクセサリー代わりに使ったファッションですよね。
サウジアラビアのアバーヤはどう変化してきたのか?
私が、この国に最初に来た 35年前のアバーヤは、図で示しているような着物スタイルのデザインでした。色も黒のみでした。
私は、着慣れていないので、歩くときは大変でした。 ひじでアバーヤを抑えて歩くので、コツが必要です。顔もガトワ(ベール)でおおっているので息苦しかったです。
それが、現在「バールト」が出てきて、色も黒に限定されずに どんな色の衣装でも良くなりました。
もちろん、「タルハ」(ヒジャブ)も「ニカーブ」も黒に限定されません。
2018年6月から女性も運転できるようになってきましたから、今後もアバーヤの変遷は、おおいにあると思います。
たとえば、運転しやすいようなデザインのアバーヤが流行することでしょう。
また二カーブ(顔をおおうべール)も視界が少しさえぎられるかもしれないので、ベールをしないで運転する人も増えて来ると思います。
このようなサウジアラビアの アバーヤの服装規定は、時代の推移とともにこれから先も変化していくことでしょう。