サウジアラビアの人は、日本の文化をどう見ているのか?|ハワーテル11回目
こんにちは!カマルです!
当ブログにお越し頂きありがとうございます!
この記事では、最近(2018~2019年)日本でも未知の国サウジアラビアについてのニュースが頻繁に流れて来るようになりました。
今までのワタシのブログでは、サウジについて書いてきましたが、この記事では、逆の発想で サウジアラビア人は日本の文化についてどのような捉え方をしているのかについて書いています。
サウジアラビア人が日本の文化を知るために撮った動画とは?
Contents
サウジアラビア人が、日本の文化を知るために撮った動画は、十数年前の※ラマダーン期間中にテレビで放送された 動画「ハワーテル」です。
「ハワーテル」とは、改善という意味ですが、原型の単数形は「ハーテル=アイデア」で、「ハワーテル」は、ハーテルの 複数形になります。
2011年には、youtubeにアップロードされました。ハワーテルは、31本の動画で構成されています。
別記事では、「ハワーテル24回目」の「日本人の愛犬への接し方」についての動画が紹介されています。
この記事で取り上げている「ハワーテル」11回目の動画は、こちら↓
※ラマダーンとは、イスラム暦(ヒジュラ暦)の9番目の月(一ヶ月間)に日が登ってから日が沈むまでの間に断食を行うことです。
サウジアラビア人が学校や公園を訪問して撮った動画の内容とは?
「ハワーテル」の動画を作った人は、サウジアラビア人のアハマド・シャキィリさんです。
かれは、小学校を訪問して 放課後の生徒や先生による教室内外の清掃を映しています。その場面を見て非常に感心した様子です。
それは、生徒が楽しそうに床の掃除をしていることと掃除の仕方に注目したようです。最初にホウキではいて、次にモップでふき、最後は、両手を使い床を水拭きしていることに大きな関心を示しました。
「床を両手で拭く」というのは、サウジアラビア人の家庭では、習慣として行われていない行為です。たいてい掃除機でゴミを吸い取りモップで床を水拭きします。
子供の時からそのような格好で掃除をすることにより、偉ぶらない、謙虚な性格が身に付くのではないかと言っています。
そしてサウジアラビアの子どもたちと日本の子どもたちを比べています。
学校で 宗教の時間に※ハディースで「ゴミを道端で拾ったらそれは、あなたの報酬、徳になる」と教えられています。そしてハディースのテストで満点を取った子どもたちも教室を出たらゴミをポーンとどこにでも捨ててしまうと言っています。頭の中では、ゴミをゴミ箱以外に捨てる行為は、悪いことと分かっていても実行が伴わないと嘆いています。
次の一コマは、日本の街や公園を歩いてみて紙くずやゴミが落ちていないことに非常に驚いている動画です。
それは、小さいときからの学校教育で清掃の仕方を学んだことによりキレイな街づくりができるのだと説明しています。
サウジには、毎日、市街のゴミを清掃する人(外国人労働者)がいます。そのせいでと言ったら語弊がありますが、サウジ人は、車内から平気でゴミを道路に捨ててしまいます。もちろん、学校や家庭でのしつけも影響がありますが。
※ハディースとは、イスラム教の開祖ムハンマドさんの言行録です。
では、その動画の場面を見てみましょう。
サウジ人アハマドさんは、公園で昼ごはんを食べている若者グループを発見します。その中のひとりがフライドポテトを一袋落としてしまいました。それをみんなで拾いあげる行為に非常に驚いたようです。なぜなら、フライドポテトは、ひとつひとつ丁寧に拾わなければならないからです。かなり面倒なことです。それにも関わらず 最後の一本までキレイに拾いあげました。
アハマドさんは、その行為に非常に感動した様子でそのポテトを落とした男性に質問をします。「なぜ、あなたは、フライドポテトを拾ったのですか?」と。
日本人からしてみたら当たり前の行為なのですが、サウジ人のアハマドさんには、異様な風景に写ったのです。だって、サウジでは、そのままにしておいても「バラディーヤ=清掃係」が来てキレイに掃除してくれるからです。そしてポテトを拾わなくても誰も文句を言わないし、散らかして置いて当たり前のことなのですよ。
それは、小さいときからの学校教育で清掃の仕方を学んだことによりキレイな街づくりができるのだと説明しています。
最後に 学校の床掃除に興味感心を示し影響を受けたアハマドさんは、サウジに帰り自宅でお手伝いさんが休みの金曜日に家族全員(奥さんとアハマドさん、息子さん二人 )で家の掃除をすることにしたそうです。
そして 二人の息子さんたちに、トイレ掃除をさせたのです。なぜならお手伝いさんがふだんやっている仕事を学び、小さいときから謙虚な態度を取れるようにするためだそうす。
サウジで放送された動画は、日本の文化についてどんなコンセプトで望んだのか?
このサウジで放送された動画のタイトル「ハワーテル」の意味は、動画の冒頭に流れてきている画面からわかりますね。
また動画の一コマごとに 扇の絵にアラビア語と日本語で「خواطر、改善」と書かれた画像が繰り返し出てきます。
この11回目の動画のタイトルは直訳すると「清掃教育省」という造語を使っています。それは、日本の子どもたちが熱心に掃除をしているので日本の教育カリキュラムを発令している文部科学省に感動してそのようなタイトルをつけたものと思われます。
画面にアラビア語で流れてきていることばの意味は、「この動画は、日本のマネをしようというのではなく、日本から何を学ぶことができるのかを考えよう」と言う趣旨のことが書かれています。
最初の映像は、日本の広島に原子爆弾が落とされるコンピューターグラフィックの映像が流れます。
そのような戦争で破壊された日本が、今日のような経済大国になったのは、なぜなのかという疑問を紐解いて行くことが目的のようです。
そこで、彼は日本を訪問して自分の目で確かめようとあらゆる所に赴き疑問点を日本人に質問したり、意見を聞いたりして動画を作っていきます。
そのようにして 31本の動画を撮り完成させました。
この動画から 日本人はどんな国民性なのかを探ろうとしています。
この動画により 日本人に対するイメージは、アラビア圏では良いですね。動画よりも先に日本車を始め、ソニーのプレイステーションなど日本製品の品質の良さがもつイメージも作用していると思います。
ただそれは、一部の人たちには当てはまりますが、サウジの一般の方たち(年輩の方は特に)は、アジアの国だから出稼ぎ労働者の国と同じ人種と間違えられることもあります。
この動画がyoutubeにアップロードされたときやテレビで再放送された時は、日本ではツナミによる歴史上甚大な被害が起きました。
そして、2011年 3月11日に起きた東日本大震災は、この動画を見たアラビア人の妬みや嫉妬が起こしたものだというデマが広がったようでした。
サウジ人はハワーテルの動画から日本の文化をどのように捉えたか?
動画のはじめに、出てくる3つのアラビア語の足し算の意味は、直訳すると「知識+礼儀+仕事=発展」であり、日本人は、このような国民的特性をもっているので戦後の混乱期を脱していち早く経済大国になったのであろうという見解を示しているようです。
意訳すると日本人は、「知と学問と礼節」により経済大国になったと説明できるでしょう。
私は、この動画を見て今更ながら他国の人が、そのような見解で日本を分析してくれたことに非常に驚いています。
動画を撮ったアハマドさんは、日本は、アメリカやヨーロッパとは、かなり違う文化を持っていると動画の中で断言しています。
日本は、島国であり他国のように陸続きではありません。そのような地政学的な位置が、他の国からの民族の流入や侵入を防いできました。そのために、単一民族で国民の考え方なども統一制があります。
礼儀に関しては、アメリカやヨーロッパと異なる文化がありますね。礼儀正しく相手を敬い、自分を謙遜し、行いを丁寧にするという習慣があります。
教育に関しても義務教育により識字率は100%です。また大学を出ていなければいい就職先を見つけることができない高学歴な社会です。
仕事も、生産性をあげるために残業というシステムがあります。サウジアラビアでは、考えられない日本の会社のシステムですね。
そのような他の国では例を見ない 日本の 労働システム(これについては、別の動画で説明されている)や 勤勉さ、礼儀正しさなどが経済発展に結びついたのだろうという分析をしています。
ワタシたち日本人は、礼儀に関しては小さいときから行ってきて習慣化している行為ですが、他の国では、そのような日本の文化は、特別なことのようです。
もし、他の「ハワーテル」に関する動画を視聴したい場合は、下のURLを開けば見れます。大体一本につき13分から 15分位です。31本あります。
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